江戸初期～中期 赤坂鐔 鷹の羽紋は、勇猛な様子から武士などから尚武的に用いられる「鷹紋」。その鷹ノ羽を透かした五枚鷹羽透鍔の登場です！

■鑑定：【保存鑑定書】公益財団法人　日本美術刀剣保存協会
■時代:江戸初期～中期
■種別：鍔（鐔）つば　刀装具
■銘文：無銘（赤坂）鍔
■測定値
縦　長： ７９ｍｍ
横　幅： ７９ｍｍ
厚　さ：　 ５.１～５.４ｍｍ
茎孔縦： ２７．４ｍｍ
茎孔横：　 ８．４ｍｍ
重　量：１１５g　※誤差ご容赦下さいませ。
桐　箱：底上（裏面の象嵌等を擦らない様に底上されたもの）上蓋には鐔寸法・鑑定No等詳細が記載されたラベル添付
■説明：赤坂

江戸赤坂にいた鐔工の作。赤坂八代目忠時の由緒書によると
初代赤坂の庄左衛門忠正は寛永1624年より赤坂内に住居を構え鐔職仕、一流選抜し鐔仕出した」とある。
すなわち鐔商の主と考える事が適切だと言う。また異説であるが京都の雁金屋彦兵衛という鐔商が、
初代らを赤坂に連れてきて造らせたと言う説もある。

二代目同名で延宝1677年～
興味深いのが三代目庄左衛門正虎は初名は兵左衛門といい、当時「赤坂奴」とよばれていた侠客の一人だった。
侠客として暴れたのが広告となり「刀盤賞鑒口訣」にもその名が掲載されている。

四代目彦十郎忠宗から鐔師となり幕末九代目で終わったとされる。

作風は三代までは無銘で厚みのある鉄の透かし鐔で尾張の透かし鍔に似ている。
そのうち初代は切羽台の上部が尖る。二代は切羽台の上部は広くなり、三代は切羽台が大きくなる特徴がある。
四代目以後は鐔師となり在銘も多く、作風も大きく変わり薄手になる。図案も肥後鐔や京透かしに似た物が多い。

鷹の羽紋は、勇猛な様子から武士などから尚武的に用いられる「鷹紋」と同様に、尚武的な意味で用いたものであるが、本作は
その鷹の羽を透かした武人に愛された鐔です。縦が約80㎜と大きさもあり武家に伝わり大切にされてきた一品。